ムンソンウォン 写真展 

「都市と余白」 

都市は慌ただしく流れ、満ちあふれ、変化し続ける。巨大なビル、鉄製の手すり、信号機と電線、プラットフォームと階段、街灯と影が交差するこの空間で、私たちは無意識のうちに多くのものを通り過ぎている。それでも、この中には確かに、均衡と静けさが存在している。 

私はその流れに逆らい、立ち止まり、シャッターを切る。光と影が織りなす構造的なかたち、人工物と自然が触れ合う境界、秩序の中に偶然生まれた余白。目まぐるしく変わる都市の中にも、変わらないもの、あるいはその瞬間だけ静止しているものを記録したいと思った。 

この展示は、都市を見つめる「視線」に関する物語である。私たちが見過ごしてしまいがちな風景の中から意味を見出し、そこにひっそりと息づいている何かを捉える試み。冷たい建物の隙間にもあたたかさが感じられる理由、複雑な街並みの中から自然と生まれるバランスを探るものでもある。 

私の写真は、秩序、混沌、静止、動き、あたたかさ、冷たさ、調和、対立、自然、人間、抑制、騒がしさ、変化、維持、親しみ、違和感、生命、痕跡、光、影、独立、関係、そして余白を扱っている。都市には、それらすべてが存在している。この展示を見たあと、再び都市に一歩踏み出したあなたに、ほんの少しでも世界の見え方が変わってきたなら、私はとても嬉しく思う。 

誰もがいつでも写真を撮ることができるこの時代に、重くて大きなカメラを持って外に出る。この行為には、どのような意味があるのだろう。カメラを持っているということは、この時代の一片を記録すべき責任を持っていることなのかもしれない。この展示は、未来への社会的なアーカイブの一部になるのかもしれない。 

初めてカメラを手にし、東京とソウルを行き来し、大学に入り、新たな人々と出会いながら撮り続けてきた約5万枚の写真の中からいくつかを選び展示している。都市は変わり、私も変わり、私の写真も変わっていく。それでも、立ち止まって見つめずにはいられない、見過ごすことのできない風景が、まだたくさんある。 

だから、私はこれからも写真を撮り続ける。